http://blog.livedoor.jp/oibore_oobora/archives/52170205.html
https://livedoor.blogimg.jp/oibore_oobora/imgs/8/6/86937bbf.png
このところ「古代私学大家」と名乗る研究者が登場します。西洋美術を専門とする東北大学名誉教授・田中英道氏です
理由は氏が「新しい歴史教科書をつくる会(つくる会)」の会長を務めたとの経歴にこだわるからです。思想・信条で学問的主張の正否判断をすることは戒めねばなりませんが、上掲広告で見る限り「作る会」の主張にあわせて自らの古代私学を形成しているのではなかろうかと疑うからです。たとえば「卑弥呼」の存在を否定するかの議論は、大陸中国朝廷の「歴史」すなわち「正史」の学問的意義を軽視するものと考えるからです。
古事記(大国主命の国譲り直前)
表題には「国譲り直前」と書きましたが、古事記の原文はそれらしい記載がありません。それどころか奇妙な記述がそこには存在します:
たまたまでありますが2022年最初のブログ記事は古事記「大年神」の一節です。大国主命が天照大神に強いられて葦原国を退く段の直前にこの神は登場します。しかし、古事記はその登場の経緯をかきません。そのかわりに書くのは「大年神」の係累の羅列です。ところがこの文節の出だしは下に見るように「其大年神」で始まります。こうした不可解さが古事記には付きまとっています。研究者たちが現存の古事記を「偽書」説、やら「未完書」説と疑う理由の一つです。よしんばそれが「未完」であっても。藤原不比等がこの一節で何を構想したのかぐらいは想像できないものかと考えました:
%%%%%古事記原文:
国譲り直前(1)