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世界の歴史9. 大モンゴルの時代. 杉山正明/北川誠一 著. ユーラシアの東西を席捲した史上最大・最強の大帝国モンゴルの、たぐいまれな統治システム、柔軟な経済政策などの知られざる実像を生き生きと描き出す。
中国の明清を中心に、14世紀から19世紀前半までの東洋の歴史をまとめた中公版『世界の歴史』の第9巻(全16巻)。インド(ムガール)と西アジア(オスマン・トルコ)については、末尾の二章で簡潔に扱っている。これは、日本の東洋史学が東アジアを中心としてきた事情に由来する。本巻を担当した田村実造氏は、「没法子(メイツアーズ)の社会」という項目で、中国社会の正体について、肉体中心主義(=福・禄・寿の追求)という点から、論じている(382頁)。なお、本巻の表紙の人物は、若き日の十全老人である(=乾隆帝)。